中小企業診断士の制度や仕事・業務内容、役割については理解しているけれど、実際、中小企業診断士に合格するためには、どのような方法があるのか、また、勉強時間はどのくらい必要なのかについて紹介しています。
っていうあなたの疑問を、中小企業診断士試験に2年で合格した私が解決します。
この記事で伝えたいこと
- 中小企業診断士になるには?
- 中小企業診断士に合格するために必要な勉強時間
中小企業診断士になるには?
中小企業診断士になるためには、以下の方法があります。
中小企業診断士になる方法
- 試験に合格する
- 養成課程に通う
養成課程に通うには、中小企業診断士の一次試験に合格していないといけないので、どうせなら二次試験も合格して、試験合格で中小企業診断士の資格を取得したいものです。
語弊があるかもしれませんが、養成課程はお金もかかりますし、お金があって、なかなか二次試験に合格できない方向けの保険として捉えてください。
そのため、試験で合格することを大前提として、まずは中小企業診断士試験の概要について紹介します。
中小企業診断士に合格すると、こんな風に人生が大きく変化します!
中小企業診断士の試験制度
では、中小企業診断士の試験制度について簡単に説明します。
中小企業診断士の試験は、1次試験と2次試験があります。1次試験と2次試験について、それぞれ説明します。
1次試験
1次試験の概要は以下のとおりです。
試験日程
10月の第4週目の日
願書受付・申込期間
5月初旬~下旬まで(年度によって異なる)
試験実施場所
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡・那覇の8地区
受験資格
特に制限はありません(年齢・学歴不問)。
試験形式
多肢選択式(マークシート式)
試験科目・試験時間
試験科目と試験時間は以下のとおりです。
1日目(土曜日)
試験科目 | 試験時間 |
---|---|
経済学・経済政策 | 60分 |
財務・会計 | 60分 |
企業経営理論 | 90分 |
運営管理 | 90分 |
2日目(日曜日)
試験科目 | 試験時間 |
---|---|
経営法務 | 60分 |
経営情報システム | 60分 |
中小企業経営・中小企業政策 | 90分 |
2次試験
2次試験の概要は以下のとおりです。
試験日程
10月の4回目の日曜日
願書受付・申込期間
8月下旬~9月中旬まで(年度によって異なる)
試験実施場所
札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の7地区
受験資格
特に制限はありません(年齢・学歴不問)。
試験形式
記述式
試験科目・試験時間
試験科目と試験時間は以下のとおりです。
試験科目 | 試験時間 |
---|---|
事例Ⅰ:組織・人事事例 | 80分 |
事例Ⅱ:マーケティング・流通事例 | 80分 |
事例Ⅲ:生産・技術事例 | 80分 |
事例Ⅳ財務・会計事例 | 80分 |
試験の詳細に関しては、一般社団法人中小企業診断協会のHPをご覧ください。
中小企業診断士の勉強時間
中小企業診断士って国家資格だし、勉強時間って半端ないんじゃないの?ってどのくらい勉強時間が必要か気になると思います。
私も受験当時は、本当に合格できるのかどうか、不安でした。
勉強をスタートしたはいいものの、合格できなかったらどうしよう、そんな気持ちでもありました。
私は2年で中小企業診断士を取得しましたので、私の場合の勉強時間について紹介したいと思いますが、私の勉強時間を説明する前に、私のプロフィールを簡単に紹介しますね。少々お付き合いください。
私のプロフィール
私は冒頭で説明したとおり、2年で中小企業診断士試験に合格しました。
試験合格時の年齢は29歳です。
平成23年度の一次試験に合格、その年の二次試験は不合格で、平成24年度は一次試験を受けずに、二次試験だけを受験し合格しました。
年齢がバレますね。。
二次試験は10月にあるのですが、二次試験に合格した年の9月には私の結婚式がありました。
結婚式の準備って意外と大変ですよね。生い立ちDVDをつくったり、友人などに招待状を渡したり、二次会幹事と打ち合わせしたり、何かと忙しかった思い出があります。
そんな中、中小企業診断士の二次試験の試験勉強も同時並行的に行っていました。
中学にさかのぼると、中学3年生の3学期のときの内申点は、34点(45点満点)。高校は頭の良い部類ではなく、普通の高校に通いました。
大学も偏差値50程度の無名の私立大学に進学しました。
就職先も大学4年の10月に決まり、給料も中小企業の平均より下で残業も人並みにありました。
私の勉強時間を計算してみた
上のプロフィールで何が言いたかったかというと、私みたいな普通の人でも合格できるということです。
一次試験
一次試験の勉強は、平成23年の1月から開始し、8月が一次試験なので、約8か月間勉強しました。
一次試験は、予備校の通信を利用しました。
私の8ヶ月で一次試験合格を果たした勉強法は以下記事で紹介しています。
残業も人並みにあったので、一日平均2~3時間の勉強をしていました。会社の通勤に行き帰り15分ずつ、会社の昼休憩に30分、スキマ時間で約1時間の勉強をしました。
MAXで一日4時間と仮定して、以下の計算式の通り、勉強時間を算出しました。
一次試験の勉強時間
4時間/日×30日×7ヶ月=840時間
一般的には、800時間~1,000時間と言われているそうです。
生まれつき暗記が得意で、勘が鋭い方はもっと少ない勉強時間で合格されている方もいるようですが、私のような一般人には無理ですね。
私は840時間なので、少ない方だと思います。800時間以上は覚悟したほうが良いと思います。
診断士試験の受験時は独身でしたので、帰宅してからの自由時間がありました。
あなたの置かれた立場など、どれだけ勉強時間を確保できるかは人それぞれです。
診断士の受験を検討する意味で、自分自身でどれだけ勉強時間を確保できるのかをあらかじめ計算したほうが良いですね。
割ける勉強時間によって、1年で合格を目指すのか、2年で合格を目指すのかを検討したほうが良いと思います。
2年以上で検討している方
中小企業診断士一次試験の科目の一つ「中小企業経営・中小企業政策」は、国が出している中小企業白書から問題が出題されます。
私はこの勉強が一番嫌いでした。
なぜかと言うと、グラフや統計資料などの細かい数字を暗記する必要があるからです。実はこの白書、毎年出版されます。
2年以上を考えている方は、毎年、異なる統計資料の数字を覚えないといけません。
科目合格制度を有効に活用したり、勉強の順番を考慮する必要があります。
科目合格制度について
科目合格の有効期間は、3年間です。一部の科目だけに合格した場合は、翌年度及び翌々年度の第1次試験を受験する際、受験者からの申請により当該科目が免除され、3年間で 7科目すべての科目に合格すれば第1次試験合格となり、第2次試験が受験できます。
ちなみに一次試験の自己採点は432点でした(420点以上が合格)。
二次試験
二次試験について、1年目は残念ながら不合格でした。
以下は、1年目の二次試験の結果通知です。
事例Ⅰ | 事例Ⅱ | 事例Ⅲ | 事例Ⅳ |
---|---|---|---|
A | B | B | A |
1年目に二次試験を受けたときは、何がなんだかわかりませんでした。でも、「A評価があるし、なんか悔しい」そんな思いでした。
ちなみに、1年目は予備校で一次二次速修ストレート的なよくある通信講座であったので、与えられた教材で勉強しました。
しかし、解答の発表されない二次試験では、どのように勉強したら良いか、1年目の受験時の最後までわかりませんでした。
勉強時間は一次試験と変わらず、一日4時間くらいは確保できていました。一次試験の合格を確認してから取り組み始めたので、勉強期間としては、45日くらいです。
二次試験|1年目
二次試験の勉強時間(1年目)
4時間/日×45日=180時間
二次試験|2年目
二次試験の2年目は、独学で勉強しました。
結婚式を控えていたし、予備校に通う資金がありませんでした(汗)。
独学時は、様々なテキストを購入したり、いろんなWebサイトを閲覧したりしました。
結果、一つの結論=私自身の独学勉強法を編み出しました。長くなるので別記事で紹介します。
2年目は上で説明した私のプロフィールにもある通り、自身の結婚式を控えていましたので、勉強に割ける時間は限られていました。
二次試験の勉強は、平成24年2月から開始して、結婚式の準備をしながら行っていたので、一日に平均すると約3時間でした(私の勉強記録に基づく)。結婚式があった9月は全く勉強していなかったので、約9ヶ月間、勉強したことになります。
二次試験の勉強時間(2年目)
3時間/日×30日×9ヶ月=810時間
だいたい、一次試験と同程度の勉強時間で合格することができました。
残業が多かったり、小さなお子様がいたり、家庭や生活環境によっても勉強できる時間は人それぞれで異なります。
勉強方法を間違えると、何年たっても合格できない、といったリスクもあります。
実際、私の知り合いの方は、10年以上勉強されているそうです。すごい根気ですね。ある意味敬服します。
やはり、計画的・戦略的・効率的な勉強が必要です。
この記事のまとめ
結論
私は一次試験840時間、二次試験は、990時間(1年目と2年目の合計)で合格。受験時は独身、残業平日1~2時間。勉強に割ける時間は置かれた立場によって様々だが、最低でも一次試験で800時間、二次試験で800時間は必要。
公認会計士などの難関資格合格者や天才でもない限り、合格するためにはある程度の勉強時間は必要です。
ただ、中小企業診断士の試験は、私のようなごく平凡な人でも合格できます。
ぜひ、合格目指して、頑張りましょう!!