中小企業診断士の一次試験及び二次試験における、世界一簡単なCVP分析の攻略法を伝授します。中学生でも必ず理解できます。
そんな中小企業診断士試験の受験生の悩みを解決したいと思います。
中小企業診断士のことをあまり知らないって方は、以下記事をご覧ください。
中小企業診断士の試験では、CVP分析は非常に重要な論点の一つです。「知らない!」では合格できません。
CVP分析は、実務でもよく使う論点であり、中小企業診断士として活躍されたい方にとっては必ず本質を理解すべきです。
この記事を見ていただければ、きっと、CVP分析を理解できます。また、好きな論点に変えることができると思います。私が二次試験に独学で合格できたのも、CVP分析に自信があり、本番でしっかり正答できたためと思っています。
この記事で伝えたいこと
- CVP分析とは?
- 中小企業診断士試験におけるCVP分析
- 世界一簡単なCVP分析攻略法
それでは、早速見ていきましょう!
CVP分析とは?
CVP分析とは損益分岐点分析のことで、コストと販売量(営業量)、利益について分析する管理会計の手法。
- C:Costコスト
- V:Volume販売量(営業量)
- P:Profit利益
管理会計でパっと思いつくのが直接原価計算だと思います。
売上と利益の関係
利益を算出する式は以下のとおり。
直接原価計算では、コストを変動費と固定費に区分して考えます。
変動費とは?
営業量や販売量によって変化するコスト。
固定費とは?
営業量や販売量によって変化しないコスト。
つまり、直接原価計算では、利益を算出するための式は以下のとおりになります。
企業の営業活動や販売活動によって、「どのコストが増加し、当該活動をしなくても発生するコストはいくらで・・・」など、目標の売上高や利益をあげるためには、どんな活動を行うべきなのかを判断するのが、管理会計ですね。
ちなみに、売上高から変動費を引いた利益のことを限界利益と呼びます。限界利益がプラスであれば、固定費を少しでも賄うことができるので、事業継続などの意思決定ができますね。
損益分岐点とは?
損益分岐点とは、言葉の通り、損失がでてしまうのか、利益がでるのかの分岐点のこと。つまり、利益がゼロのことを意味します。
損益分岐点売上高とは?
損益分岐点売上高とは、利益がゼロになるときの売上高を意味します。
つまり、上で説明した利益を算出する式に当てはめると以下のようになります。
ここで質問!変動費が500円、固定費が500円だったときの損益分岐点売上高はいくらかわかりますか?
簡単すぎましたね。上の式に当てはめると、損益分岐点売上高は、1,000円になります。
どうですか?超簡単ですよね。これだけの理解でCVP分析の問題は85%くらいの正答率になると思います。
では、もう一問。
売上高1,000円、変動費400円、固定費200円のときの損益分岐点売上高を答えてください。
あ、ちなみに損益分岐点売上高を求める公式は以下です。
※変動比率とは、『変動費÷売上高』の算式で求めることができます。
損益分岐点売上高を求める公式
損益分岐点売上高=固定費÷(1-変動比率)
公式に当てはめれば、誰でもパズル的にできます。
が、公式って忘れるとそこで試合終了ですよね。
私が高校生だったとき、『数学の神』と呼ばれる男がいました。一般の普通高校ですけど。その彼は、公式を一切使わず、自分なりの論理展開で、数学のどんな問題も物の見事に解いていました。応用力凄まじいですね。
ということで、公式を使わないCVP分析の攻略法を後の見出しで紹介しますね!
中小企業診断士試験におけるCVP分析
世界一簡単なCVP分析攻略法に入る前に、中小企業診断士試験におけるCVP分析の役割を紹介します。
中小企業診断士試験には、一次試験と二次試験があります。
一次試験では、『財務・会計』が、二次試験では、『財務・会計に関する実務の事例(事例Ⅳ)』が科目として存在します。
中小企業診断士の試験概要については、以下記事でも紹介しています。
実は、記事冒頭にもある通り、CVP分析は一次試験、二次試験ともに必ず出題される最重要論点なのです。
その理由は、中小企業診断士の役割を理解すれば明白です。中小企業診断士は、実務において、企業の現状を分析・診断します。企業の組織であったり、営業であったり、財務であったり、また、お客さんのニーズであったり、経済動向であったりと、企業を取り巻く環境を内外から分析します。そして、その分析結果に基づき、企業を成長させるための提案をし、具体的な実行策を二人三脚で支援します。
当然、財務においても「赤字ですね、売上あげましょうか」という単純な提案ではなく、「財務のココが問題ですから、こうやって解決して、利益を確保していきましょう」といった具体的な改善策を提示できる能力、それが中小企業診断士に求められる役割です。
だから、問題点を分析できる、意思決定を促せるCVP分析は、大変重要なのです。
世界一簡単なCVP分析攻略法
では、実際に世界一簡単なCVP分析の攻略法を紹介したいと思います。
上で紹介した、初歩の初歩の例題で説明したいと思います。
例題
売上高1,000円、変動費600円、固定費200円のときの損益分岐点売上高を求めよ。
CVP分析で、肝となるのが、『変動比率』です。
変動比率とは?
売上高に占める変動費の割合のこと。
損益分岐点売上高を求めるには、まず、この変動比率を求めましょう。
上の例題では、変動費600円、売上高1,000円なので、計算式は、『600円÷1,000円=0.6』で、変動比率は0.6になります。
変動比率が0.6ということは、売上高が1あがると変動費が0.6あがるという意味です。
中学校の数学、一次方程式を使え!
CVP分析は、中学校のときに習った一次方程式で簡単に解けます。
ポイントは、以下です。
ポイント
売上高をXとおく!
売上高をXとおくと、変動費は、0.6の割合で変化するので0.6Xとなります。固定費は変化しないので、200円となります。損益分岐点売上高のときの利益はゼロなので、表にまとめると、以下のようになります。
売上高 | X |
変動費 | 0.6X |
固定費 | 200 |
利益 | 0 |
では、上の表をもとに利益を求める算式に当てはめてみます。
X-0.6X-200=0
中学校で習った一次方程式ができました。あとは展開して、Xを求めるのみです。
X-0.6X-200=0
0.4X-200=0
※ちなみに、0.4Xが限界利益の額です。
0.4X=200
X=500
∴利益が0のときの売上高=損益分岐点売上高は、500円となります。
CVP分析まとめ
世界一簡単なCVP分析(損益分岐点分析)の攻略法を紹介しました。
この方法を使えば、あらゆる問題に対応可能になります。
公式の丸暗記ではなく、CVP分析の本質を理解し、どんな問題にも応用できる力を身につけることが大事です。CVP分析は、ぜひ、このやり方で取り組んでいただければと思います。
ポイント
売上高をXとおく!
上のポイントを覚えておいてください!
さらに、CVP分析を強化していただくために、以下記事も用意しています。
人気記事プロコン推薦!中小企業診断士最短合格のための勉強法【効率化】
CVP分析ってよく出題されるけど、いつも公式忘れてしまうんだよね。応用論点が出題されるといつも間違えるし・・・。